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ポルトガルワインについて
▼主要DOPワイン生産地とDOPを代表するワイン生産者   ▼ポルトガルの主要ブドウ品種
  ■ポルトガルワインの歴史
ポルトガルワインの歴史は古く、紀元前5世紀にはフェニキア人によってブドウ栽培が始められました。8世紀から11世紀まではイスラムの支配により一時停滞しますが、キリスト教徒が領土を回復してから再びワイン造りが盛んになりました。12世紀にスペインから独立してからもワイン造りは行われ、伝統的な栽培法や醸造法をもとに近代的醸造技術を採り入れることによりポルトガル固有のワインを造りあげてきました。17世紀にはマデイラワイン、18世紀にはポートワインが登場し、これらはスペインのシェリーと並んで世界三大酒精強化ワインと呼ばれています。
また、ポルトガルは歴史的に日本との繋がりが深く、16世紀の半ばにヨーロッパから初めて日本に訪れたポルトガル人によって、キリスト教や鉄砲とともにワインが伝えられました。ポルトガルワインはポルトガル語で赤ワインを意味するTinto(ティント)から「珍陀(ちんた)」と呼ばれ、戦国時代の武将も珍重したと言われています。
最近では、昭和の文豪、壇一雄氏(壇ふみ(女優)さんの父)が氏の姓と同じ発音のダンワインを愛飲されたことでも知られています。氏はポルトガルに1年4ヶ月間滞在し「火宅の人」を執筆されましたが、その間「赤、白のダンワインを何百本抜いたことか」と随筆に記述するなど、ダンワインへの特別な思い入れがあったことが伺われます。

■注目のワイン産地、ポルトガル
「今、最も注目されるワイン産地」、ポルトガルワインをジャンシス・ロビンソンをはじめ世界の著名なワインライター達はこう表現します。紀元前5世紀頃からワイン造りの歴史を誇るポルトガル。近世、ワイン産地を捜し求める英国人がこの地でポートやマデイラの酒精強化ワインを生み出し、1900年パリ万博ではダンワインが金賞を受賞、一躍ヨーロッパで注目されるようになりました。
しかしながら20世紀の中盤以降、サラザール独裁政権の下、半鎖国のような状態が続き、ポルトガルワインはそのほとんどが国内で消費されていたため、この時期、ポートワイン、マデイラワインや一部のワインを除きポルトガル産のワインは国際的な舞台からは遠ざかっていました。1974年の「カーネーション革命」の後、1986年のEC(現在のEU)加盟を果たし、ポルトガルワインの市場は国内からヨーロッパそして世界に拡大されました。EU新規加盟国ポルトガルの産業基盤を強固にするために、EUとしてポルトガルの産業振興へ数々の支援を実施。ここで最も期待されたのはワイン産業でした。
ポルトガルの生産者たちの目の前に最新のワイン製造技術と大きな市場が広がりました。EUの経済的支援もあり、ここからポルトガルのワイン造りは激変します。もとより有史以来の長いワイン造りの伝統を持ち、国土のほとんど全ての場所でブドウが栽培され、個性あふれるワインを生産しているポルトガルに最新の醸造技術を学んだ新世代の造り手達が、EUのバックアップもあり次々と革新的なワインを生み出すに至りました。この状況はワイン消費国にも知れるようになり、最初は安くて美味しいワインの生産国として知られ、2000年以降は世界の銘醸ワインに勝るとも劣らない素晴らしいワインを生み出す産地として著名な評論家に認められるようになりました。
今や世界のワイン愛好家が次はどんなワインが出てくるかと、最も注目されるワイン産地に位置づけられるようになりました。

■ポルトガルのワイン生産について
ブドウ栽培面積:24万8000ha(世界第8位)  栽培されているブドウ品種:約350種
ワイン生産量:約750万hl(世界第9位)-赤・ロゼワイン:54% 白ワイン:34% フォーティファイド・ワイン:12%
ワイン輸出量:世界第8位 1人当たりのワイン消費量:48L(ルクセンブルク、仏、伊に次世界第4位、日本(2.5L))

■ポルトガルのワイン法
1756年、ドウロ地区(ポートワイン用ブドウ生産地域)に世界で初の原産地呼称管理法を制定。
1986年EUに加盟とともにEUワイン法に沿った整備がなされ、指定地域優良ワイン(V.Q.P.R.D.)の制度を設けて、全国のワイン産地を下記のように分類しています。
  
 
   
分類
認定エリア数
DOP (原産地統制名称ワイン)
※2009年変更(旧 DOC)
29 地区
IGR (地理的生産地表示ワイン)
※2009年変更(旧 Vihno Regional:ヴィーニョ・レジョナル)
11 地域
Vihno de Mesa ヴィーニョ・デ・メサ (テーブルワイン)
ポルトガル全域
  主要DOP ワイン生産地域とワイン生産者  

Vinho Verde ヴィーニョ・ヴェルデ(ミーニョ地方)
ポルトガルの最北部大西洋寄りの広い地域で、その面積は全国の14%を占める。白ワインが70%を占め、酸の豊かな軽いワインを中心に、こくのある辛口の白ワインも生産している。
「緑のワイン」という意味のヴィーニョ・ヴェルデとは若々しさを表現したもので、酸が豊かでわずかに炭酸を含み、フレッシュな軽い風味が特徴。
ヴィニョス ボルゲス Vinhos Borges
1884年に創業された歴史あるワインメーカー。高品質なデイリーワインから見事なヴィンテージポートまで、様々なワインを世に送り出しています。減農薬農法で葡萄を栽培、葡萄は全て手摘みで収穫、また同社の看板商品である「ガタオ」はスクリューキャップに変更するなど、常に挑戦し続けるポルトガル屈指のワイン生産者です。
Porto e Douro ポルト・エ・ドウロ
(トラズ・オス・モンテス地方)
ドウロ川上流のポルトは世界最古の原産地呼称統制地区で世界遺産にも登録された、ポートワインの産地。ドウロは1982年にスティルワインの産地として認定。ポートとスティルワイン(ドウロ)の比率は4:6。
コット キンタ・ド・コット Quinta do Côtto
12世紀のポルトガル建国以前から続く歴史あるワイナリー。ドウロのワインと言えば、ほとんどワイン誌などで真っ先に紹介されるのがキンタ・ド・コットのワイン。凝縮感を楽しめるその味わいは、まさにドウロを象徴する1本。品質を最優先に考え、自国の主要産業であるコルクの使用を止めてスクリューキャップを採用したことが、国外でも多くの話題を呼びました。
ニーポート Niepoort
ニーポートは1842年創業の歴史あるポートメーカー。今では数少ない家族経営のメーカーであり、現当主ディルク・ニーポートは5代目にあたります。何よりも品質を重視するため、生産量はポートワイン全体の1%にも満たない小規模生産者ですが、彼の造るポートやドウロワインはジャンシス・ロビンソンをはじめ多くのワインジャーナリストに高評価を受けています。
Dão ダン (ベイラス地方)
ポルトガル中央部よりやや北寄りを中心にダン川流域に広がる地域。
重厚な赤ワインが約80%を占めている。白はブドウの風味を生かしたフレッシュで軽やかなものが多い。
キンタ・ドス・ロケス Quinta dos Roques
「伝統と革新の見事なバランス」 キンタ・ドス・ロケスのワイン造りのテーマはここにあります。高級葡萄品種への植え替え、キンタ・ワイン(生産者元詰め)の製造、フレンチオークを使ったワイン造り等、新たなダンワイン造りへの挑戦は続いています。2007年インターナショナルワインチャレンジにおいては、ポルトガル赤ワイントロフィー、ダンワイントロフィーを受賞しました。
Bairrada バイラーダ (ベイラス地方)
ダンの大西洋寄りに隣接した地域で主にバガ種から造られる赤ワインが80%。フレッシュな白ワインやエシュプマンテでも有名。
ルイス・パト Luis Pato
1988年からロンドンのインターナショナルワインチャレンジのテイスターとして世界のワインを知る機会に恵まれたルイス・パトは、地域の伝統品種バガ(黒葡萄)の可能性を見出し、従来のバイラーダワインとは異なるアプローチで新たなワインを生み出しています。2004年にはジャンシス・ロビンソンによりヨーロッパのベスト25ワイナリーに選出されるなど、すでに世界で評価されている生産者です。
フィリッパ・パト Filipa Pato
ダン、バイラーダを包含する地域「ベイラス・リージョン」の新進気鋭の女性若手ワインメーカー。大学を卒業後、旧世界、新世界においてワイン造りを経験し、2003年にファーストヴィンテージをリリース。既に各国のワイン雑誌でも取り上げられており、今後も目が離せない要注目の存在です。バイラーダの巨匠ルイス・パトの愛娘で、父親のワイン造りに学びつつも、父に頼ることなく自らのワインにかける情熱と信念をもって独自のワインを生み出しています。
Alentejo アレンテージョ (アレンテージョ地方)
ポルトガル南部に位置しコルクとオリーブの一大産地。夏の暑さが厳しく少雨のため、濃密なワインが生まれる。世界品種の栽培も盛ん。
ジョアン・ポルトガル・ラモス João Portugal Ramos
ポルトガル全土でスティルワインの品質向上が進む中、ジョアン・ポルトガル・ラモスはその先頭に立ち、ポルトガルワインの個性を追求したワインの数々を造り出しています。その実績はジャンシス・ロビンソンの著書「テイスト オブ ベスト ポルトガル テーブル ワイン」でも認められ、推奨されたポルトガル中・南部の66品目の中で25品目のワインメーカーとしてラモスの名前が記載されています。
Madeira マデイラ (マデイラ諸島)
「大西洋の真珠」と呼ばれるリゾート地。三大酒精強化ワインのひとつである「マデイラ」の産地。
ヴィニョス バーベイト(マデイラ) Vinhos Barbeito (Madeira)
1946年にマリオ・バーベイトによって創立されたヴィニョス バーベイトは当社(木下インターナショナル)の資本参加以降、現社長のリカルド・フレイタスを筆頭に革新が始まりました。契約農家との密接な関係構築による高品質葡萄の供給、カラメルの使用中止、新ワイナリーの建設、最新設備の導入、絶滅危惧葡萄品種の復活など、最高品質のマデイラワインを造るための情熱が注がれています。
ドリヴェイラ ペレイラ・ドリヴェイラ(マデイラ) Pereira D’Oliveira (Madeira)
ジョアン・ペレイラ・ドリヴェイラにより、1850年に設立された歴史ある生産者で主要7生産者のうちのひとつに数えられます。ドリヴェイラ社は自社葡萄畑を所有する一方、島内約40軒の栽培農家から葡萄を購入してワインを造っています。 特にドリヴェイラ社は、社の創業年でもある1850年物のヴェルデーリョなど、他者にはない古いヴィンテージの他、マデイラ島では既に絶滅したとされるモスカテルや絶滅が危惧されているテランテス、バスタルドという品種のヴィンテージ物を多く所有することで知られています。
 
 
▲PAGE TOP  ▲主要DOCワイン生産地とDOCを代表するワイン生産者
ポルトガルの主要ブドウ品種◇:白ブドウ◆:黒ブドウ
 
 ◇アヴェッソ Avesso  産地:ヴィーニョ・ヴェルデ
ヴィーニョ・ヴェルデの主要品種。ヴィーニョ・ヴェルデ南部で栽培され、薫り高く、果実味が強く濃厚な味わいのワインを生み出します。
ボルゲスのガタオ・ヴィーニョ・ヴェルデは、レモンのような柑橘系フルーツの酸を持つ、弱発泡性でフレッシュなワイン!食前酒や前菜と楽しむのに最適な典型的ヴィーニョ・ヴェルデです。
 ◇ローレイロ Loureiro  産地:ヴィーニョ・ヴェルデ
ヴィーニョ・ヴェルデ全域とスペイン北西部のガリシア地方リアス・バイシャスで、生産量が増加している良質な品種。薫り高く濃厚で適度な酸を持ち、その独特な芳香は「月桂樹の香り」と表現されます。
※この品種を34%使用して造られているキンタ・ド・コットのパソ・デ・テイシェイロ(ヴィーニョ・ヴェルデ)は、伝統的な弱発泡性のヴィーニョ・ヴェルデとは違った、発泡なしのタイプでコクのあるエレガントな味わいのワインです。
 ◇エンクルザード Encruzado  産地:ダン
ダン地方で最も一般的に栽培されている品種。収穫量は少ないが優れた白ワイン用品種として定評があり、酸味・果実味のバランスがよく薫り高いワインが造られています。
キンタ・ドス・ロケスのエンクルザードは、ミネラル香が特徴で、フレンチオークを使用したボリュームのある複雑な味わいです。
 ◇マリアゴメス Maria Gomes ◇フェルナン・ピレスFernao Pires   産地:バイラーダ、リバテージョ 他
ポルトガルで最も多くされる白ワイン品種で、バイラーダではマリアゴメスと呼ばれています。特にリバテージョとバイラーダを中心にポルトガル全域で栽培され、比較的早期に成熟し、応用の効く品種です。フローラルな香りとおだやかな酸味で柑橘系の味わいを楽しめます。バイラーダでは、白ワインの他にスパークリングワインも有名です。
ルイス・パトのマリアゴメス(スティルワインスパークリングワイン)はさわやかな酸味に華やかな芳香が際立つ独特の味わいです。
 ◇ビカル Bical  産地:バイラーダ、ダン 他
主にバイラーダとダン地域で栽培され、早熟で豊かな酸が特徴。白ワイン、スパークリングワインのブレンド用として使用されることが多い品種です。
フィリッパ・パトのエンサイオス・ホワイトには、この品種の落ち着いた豊かな酸が感じられます。
 ◇アリント Arinto  産地:リバテージョ、エストレマドゥラ 他
ポルトガル中南部を中心に栽培され、強い酸味が特徴。長期熟成により、素晴らしい芳香と柑橘類の風味を持った味わい深いワインとなるといわれています。
フィリッパ・パトのエンサイオス・ホワイトジョアン・ポルトガル・ラモスのマルケス・デ・ボルバ・ホワイトの主要品種。華やかな白い花の香りと柑橘系フルーツの果実味が特徴です。
 
   
 ◇トウリガナショナル Touriga Nacional  産地:バイラーダ、ダン 他
ポルトガルを代表する黒ブドウ品種。ポートワイン用のブドウとしては最も崇拝されている品種で、ポルトガル北部、特にドウロ地方(赤ワインとポートワイン)やダン地方(ダンの全ての赤ワインに少なくとも20%含まれなくてはならない)を中心に栽培されています。一本の樹から収穫できるブドウが少ないため、深い色の非常にタンニンの多い凝縮したワインとなります。
キンタ・ドス・ロケスのトウリガナショナルは、濃厚なスタイルでスミレの香りとブラックチェリーのような凝縮した果実味が特徴です。
 ◇バガ Baga  産地:バイラーダ、エストレマドゥラ 他
バイラーダ地方の赤ワインの90%を産する主要品種。厚い果皮が特徴で、濃い色合いで高いレベルのタンニンと酸をワインにもたらします。優れたものは、北イタリアのネッビオーロ種のイメージに近く、長期熟成によりピノ・ノワールに似た風合いを持つといわれています。
ルイス・パトは、徹底した剪定、低収量、醸造方法の改良により、バガ種の持つ無限の可能性を世に知らしめた、ポルトガル最高のワイナリーです。
 ◇ティンタ・ロリス Tinta ◆アラゴネス Aragonez  産地:アレンテージョ、ドウロ、リバテージョ 他
スペインのテンプラニーリョと同じ品種で、ポルトガル南部ではアラゴネスと呼ばれています(近くアラゴネスに統一)。滑らかな果実味が特徴で、洗練されたしなやかな味わいを楽しむことができます。ドウロではスティルワインやポートにトウリガナショナルと共に用いられ、トウリガナショナルの濃厚でパワフルな味わいに、滑らかさと気品を与える役割を担っています。
※ポルトガル2大ティンタ・ロリス(アラゴネス)
ジョアン・ポルトガル・ラモスのヴィラ・サンタは、現代のポルトガルワインを牽引するラモスが、この品種の流麗な味わいを見事に表現した名品!キンタ・ドス・ロケスのティンタ・ロリスは1996年にダンのバラエタルワインとしてリリースされ注目を浴びました。
 ◇ジャエン Jaen    産地:バイラーダ、リバテージョ 他
スペインではハエン(メンシア)と呼ばれる、ダン地方の赤ワイン用主要品種。
キンタ・ドス・ロケスのキンタ・ダス・マイアス・ジャエンは、滑らかな口当たりに凝縮した果実味が広がる、良質のブルゴーニュのような味わいに仕上がっています。
 トリンガデイラ Trincadeira  産地:リバテージョ、アレンテージョ、エストレマドゥラ 他
ポルトガル南部で広く栽培され、果実味豊かで、スパイシーで濃厚な味わいが特徴。
ジョアン・ポルトガル・ラモスのトリンカデイラは、卓越した醸造技術により品種の個性を見事に表現したワインで、パーカーポイント89点を獲得しています。
 
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