Portugal
ポルトガルワインの歴史
注目のワイン産地、ポルトガル
「今、最も注目されるワイン産地」、ポルトガルワインをジャンシス・ロビンソンをはじめ世界の著名なワインライターたちはこう表現します。紀元前5世紀頃からワイン造りの歴史を誇るポルトガル。近世、ワイン産地を探し求める英国人がこの地でポートやマデイラの酒精強化ワインを生み出し、1900年パリ万博ではダンワインが金賞を受賞。一躍ヨーロッパで注目されるようになりました。
しかしながら20世紀の中盤以降、サラザール独裁政権の下、半鎖国のような状態が続き、ほとんどのポルトガルワインが国内で消費されていたため、この時期、ポートワイン、マデイラワインや一部のワインを除き、ポルトガル産のワインは国際的な舞台からは遠ざかっていました。1974年の「カーネーション革命」の後、1986年のEC(現在のEU)加盟を果たし、ポルトガルワインの市場は国内からヨーロッパ、そして世界に拡大されました。EU新規加盟国ポルトガルの産業基盤を強固にするために、EUとしてポルトガルの産業振興へ数々の支援を実施。ここで最も期待されたのはワイン産業でした。
ポルトガルの生産者たちの目の前に最新のワイン製造技術と大きな市場が広がりました。EUの経済的支援もあり、ここからポルトガルのワイン造りは激変します。もとより有史以来の長いワイン造りの伝統を持ち、国土のほとんどの場所でブドウが栽培され、個性あふれるワインを生産しているポルトガルに最新の醸造技術を学んだ新世代の造り手たちが、EUのバックアップもあり次々と革新的なワインを生み出すに至りました。この状況はワイン消費国にも知れるようになり、最初は安くて美味しいワインの生産国として知られ、2000年以降は世界の銘醸ワインに勝るとも劣らない素晴らしいワインを生み出す産地として著名な評論家に認められるようになりました。今や世界のワイン愛好家が次はどんなワインが出てくるかと期待するほど、最も注目されるワイン産地に位置づけられるようになりました。
ポルトガルのワイン生産について
[2009年データ当社調べ]
24.3万ha
(世界第8位)
ポルトガルの面積は
日本のおよそ4分の1
350種
認定品種は250種
約559.5万hl
(世界第11位)
赤・ロゼワイン:58%/白ワイン:27%
フォーティファイド・ワイン:15%
54L/1人あたり
(世界第1位)
ポルトガルのワイン法
1756年、ドウロ地区(ポートワイン用ブドウ生産地域)で世界初の原産地呼称管理法を制定。
1986年、EU加盟とともにEUワイン法に沿った整備がなされ、指定地域優良ワイン(V.Q.P.R.D.)の制度を設けて、全国のワイン産地を表のように分類しています。
分類 | 認定エリア数 |
---|---|
DOP (原産地統制名称ワイン) ※2009年変更(旧 DOC) |
29 地区 |
IGR (地理的生産地表示ワイン) ※2009年変更(旧 Vinho Regional:ヴィーニョ・レジョナル) |
11 地域 |
Vinho:ヴィーニョ(テーブルワイン) ※2009年変更(旧Vinho de Mesa :ヴィーニョ・デ・メサ) |
ポルトガル全域 |