ドメーヌ ブリス マルタンとは
コート・ド・ニュイの南部、コート・ド・ボーヌにも程近いコンブランシアンに本拠を置く、2014年に設立された新進気鋭のドメーヌ。当主はブリス・マルタン(Brice Martin)。ドメーヌでは現在0.4haを耕作中。ブリス・マルタンはボーヌの醸造学校で栽培・醸造学の学士及び上級資格を取得。ブルゴーニュ各地のドメーヌで研修を行った後、ニュイ・サン・ジョルジュのドメーヌ ジャン・マルク・ミヨに勤め、ここで12年間勤務した後、自らのドメーヌを立ち上げた。自らのドメーヌでの活動が始まった後も、ジャン・マルク・ミヨでは彼の手腕が必要とされて、引き続き栽培責任者として活躍している。ブリスのドメーヌは当初、クラシックなワイン造りを行っていたが友人であるマルク・ソワイヤールの影響もあり、ワインのスタイルは変化していった。また、マルクの師匠に当たるジャンーイヴ・ビゾとの交流もあり、新たなプロジェクトへの挑戦を行うなど、話題に欠くことが無い新進の生産者だ。
ブリスのワイン造り
ドメーヌでは2014年からビオでの栽培を採用。土中微生物の保全を栽培における優先事項と考えており、土を踏み固めないよう重量のあるトラクターなどを使用していない。農作業は、時間がかかろうとも手作業で丁寧に行うこととし、これにより病虫害に対して予防的な対処を可能にした。ブドウは数値的な熟度を得られるだけでなく、特にフェノールに代表されるような官能面での熟度も得られることを可能としている。栽培には未認証ではあるもののビオロジックを採用。手摘みで収穫されたブドウは除梗を行わず、100%全房のままセラーに運ばれて醸造。自生酵母のみを使用し、228Lの小樽で熟成。人為的な介在は行わず、また化学薬品は一切不使用。醸造中のSO2を添加は基本なし。無清澄・無濾過でボトリングを行う。
新たなプロジェクト
前述したように、ジャンーイヴ・ビゾとの交流からインスピレーションを得て、極少量ではあるがDAMACANAと名付けられたキュヴェが生みだされた。ブリスの醸造法として全房発酵を行うが、DAMACANAはブドウの果粒と梗の接点のみを残して枝を切り離す、正に気の遠くなるような手作業から始まり発酵前浸漬、発酵、熟成はランシオの様な大きなガラス瓶を屋外に置く方法で実施した。このように実験的なワイン造りにも果敢に挑戦して行くブリスの今後には、大きな期待を抱かせる。